噛み合い試験機 電源系故障診断 | クリンゲルンベルグ製

クリンゲルンベルグは、歯車研削盤や測定機などを製造している機械メーカーです。
かみ合い試験機は歯車の精度を評価するための設備で、日本メーカーからも販売されていますが、工程で使用する測定機と試験機のメーカーを統一するなどの目的で、海外の試験機が使用されることもあります。
測定ソフトウェアやデータフォーマットが統一されているため、測定結果の管理や解析がスムーズに行えます。
今回はドイツのクリンゲルンベルグのかみ合い試験機における故障診断の事例をご紹介します。
修理対応概要
・メーカー名 :クリンゲルンベルグ
・機械の種類 :かみ合い試験機
・機械型番:R300
・依頼内容:電源系故障診断
・現象:電源系制御装置の動作不良 ・結果:ケーブルコネクタに緩みあり。増し締め対応
ご依頼の背景
自動車部品などの製造を行うM社様(愛知県豊橋市)からのご依頼
ドイツのクリンゲルンベルグ社のかみ合い試験機において、エラーによる動作不良が発生していました。
エラーの原因が分からないということで、お客様よりクリンゲルンベルグ日本法人に依頼があり、同社とメンテナンスの業務提携をしている西部商工に故障診断とメンテナンスのご依頼をいただきました。
西部商工に依頼した決め手
今回は、エラーメッセージは出ているものの、エラーの原因が不明でした。
ソフトウェア側の状態は事前にメーカーのエンジニアにより確認済みで、電気系に問題があると推測されていました。しかしメーカーの電気系エンジニアは関東にいることから、弊社にご依頼をいただきました。
西部商工では、海外メーカーや海外機を販売する日本代理店のメンテナンス業務提携先として、さまざまな外国製加工機のメンテナンスや修理を行っています。
クリンゲルンベルグは日本にメンテナンス部門がありますが、弊社と提携しており、必要に応じてご依頼いただいています。
修理対応
今回のケースでは事前にメーカーのソフトウェア系のエンジニアが機械の状態をチェックしていました。
そこで修理に向かう前に、そのエンジニアと入念に打ち合わせをしてから、お客さまの元にうかがいました。
事前の打ち合わせの段階で、電源系に問題がありそうなことは分かっており、現場で働いているオペレーターも機械の状況をよく把握していました。そのため問題がすでに整理されている状態から原因の確認をはじめることができました。
今回の件では、電源系を中心に電流計測機(テスター)を使い、正常な動作をしていない場所を探しました。
調査の結果、制御装置を動かすための24V電源に接触不良があることが分かりました。
電源と制御装置をつなぐケーブルコネクタの不良です。そこでコネクタを外し、緩んでいる場所を増し締め対応しました。
再接続後、動作確認したところ問題なく動作したため、修理終了としました。
修理を行う際は、常にプレッシャーがあります。
設備が動かなければ、お客さまは生産ができませんので、修理においては、なるべく早く、お客さまが満足いただける状況に戻す責任を感じながら作業にあたっています。
不具合箇所の確認において重要なのは、経験とトライアンドエラーです。また可能であれば、普段その設備を使っているオペレーターの方や、事前に設備の不具合を確認された方と打ち合わせをしたほうが実際の確認はスムーズに進みます。
しかし、設備や機械の故障の際には、お客さまから緊急で呼ばれることも多く、必ずしも打ち合わせの時間が取れるわけではありません。そのような場合には不具合を見つけた経緯だけでもお伺いするようにしています。
また、メーカーエンジニアやお客さまの保全担当者などが、事前に修理、確認をしている場合には、その人がどのように状況を分析されたのかを伺えると修理がスムーズになります。
機械や設備に不具合が生じると、お客さまにはさまざまな問題が発生します。
可能であれば、不具合のきっかけが分かると助かるのですが、そういうケースばかりではないのも事実です。
弊社のエンジニアは、お客さまや他社との引継ぎや打ち合わせの際には、相手の話に耳を傾け、不具合が起こった状況や、目線、判断基準などについて詳しく聞き出せるように心がけています。
お客さまや引継ぎ者が、話しやすいと感じていただける雰囲気を作るのも、西部商工のエンジニアのスキルの一つです。
お客様からの評価・当社からのご提案
海外製の設備や機械の場合、電気的なコネクタも、日本で広く流通しているものとは形が異なるケースも多いです。メーカーによっては独特の形状をしている場合もあり、メーカーに直接依頼しないと手に入らないケースもあります。 また国内製、海外製どちらであっても、電気的なコネクタはデリケートな形状のものが多く、雑に取り扱うと壊れてしまいやすいです。そのため、今回のケースのようにコネクタに異常がある場合には、機械メーカーがどうやってコネクタを確認しているか、取り扱い方法を事前に確認しなければなりません。
西部商工では数多くの海外製機械や設備のメンテナンスや修理を担当していますので、すでに見た形状や扱った経験があるコネクタの場合もあり、エンジニアの経験やスキルを活かすことができます。
海外製の機械の中には、日本製の機械にはないメリットがある製品や、同等の機械が日本メーカーでは見つからない製品もあります。しかし一方で、やはり海外製の機械はメンテナンス面などでハードルが高いと感じ、躊躇される場合もあります。そのような場合は、是非、西部商工にご連絡ください。
海外に英語で直接問合せする必要はありません。日本語でお問い合わせください。海外製の機械を利用するにあたって発生しがちなハードルも、弊社にお任せいただければと思います。
海外製の機械を使ってみたい、あるいは海外製の機械で不具合が発生したなどの際には、ぜひご相談ください。