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ソリューションブログ

日本の労働生産性の現状と改善策:世界の視点から見る必要性と中小企業の役割

2024.04.03  インダストリー4.0工場IoT産業用IoT製造DX

日本は労働生産性が低い
こうした言葉は聞いたことだけがあるという方は多いのではないでしょうか。
しかし、具体的にどんな状態で、世界的に見て本当に悪いのか、日本にいるとイマイチ実感がわかないというのが多くの人の感想ではないかと感じます。
労働生産性とは何か、というところから具体的な改善策まで考えます。

労働生産性とは何でしょうか?

労働生産性と言われて、言葉だけは聞いている人が多いと思いますが、具体的にどんなものか?と聞かれると答えられますでしょうか?
労働生産性とは簡単に言うと売り上げや利益に対してどれだけの時間をかけたかという指標になります。
例えば、一つの商品を一人で3時間かけて作り、販売価格が6000円だった場合、1時間あたりの労働生産性は2000円になります。
また、かける人数によっても変動し、二人で3時間かけた場合は1000円となります。一人で同じ労働生産性を保つためには、人数を増やすことで労働時間を減らす必要があります。このように、労働生産性は売り上げや労働時間、人数によって計算されています。

日本の労働生産性はOECD加盟国の中で最低水準に位置しています

労働生産性が上がれば、それだけ効率のよい売り上げに直結する生産活動を行っているということが言えます。
世界的に見た現在の日本の立ち位置を確認してみると、その結果は残念と言わざるを得ません。
公益財団法人 日本生産性本部が2023年に発表した労働生産性の国際比較によると、2022年の日本の時間当たりの労働生産性は52.3ドルでOECD加盟国38か国中30位という結果になりました。これはポルトガルとスロバキアと同水準とのことでした。
日本の人口が1億人ほどいるなかで、2021年にポルトガルは1033万人、スロバキアは544万人です。
日本は売り上げを上げることができない上に一つの仕事に多くの人をかけている、という状態と言えるでしょう。

逆に考えれば、日本はポルトガルやスロバキアの人口規模で達成できる仕事しか行っていないとみなされ、これまで仕事として取り組んできた多くの活動が「無駄な作業」とみなされる可能性もあります。
日本製品は最高品質、ということを実現するために様々な努力をしてきたことは尊敬できますが、それに対して価格転嫁ができない状態があまりにも長く続きすぎてきてしまったと言えます。
長いデフレの中、高品質で低価格を追求してきてしまったために、労働生産性が上がらず、指標上、ポルトガルやスロバキアの人口でも稼働可能な仕事しかしていないというように見えてしまっているということです。
人口が多い中、この状況では貧困者が多く出るなどの具体的な弊害が出てきてしまってもおかしくない状況です。

今までの慣習に基づいた仕事の仕方を改める

では、どのような方策をとることが望ましいのでしょうか?
実際に低価格で販売していた商品の値上げが最も効果的な方法です。労働生産性の指標には売り上げや利益が含まれています。以下に、値上げが労働生産性向上に与える影響について説明します。

  1. 資源の最適化: 高付加価値の製品やサービスを提供することで、資源の最適化が可能になります。高品質で高価格の製品を提供することで、単位あたりの利益が増加し、生産性を向上させることができます。
  2. 技術投資: 値上げによって得られる追加の利益を技術投資に充てることで、生産性を向上させることができます。例えば、自動化や効率化のための最新の設備やシステムを導入することができます。
  3. 従業員のモチベーション向上: 高品質で高価格の製品を提供することで、従業員のモチベーションが向上し、生産性が向上する可能性があります。高い利益を得ることができるというインセンティブが働くためです。

ただし、値上げは顧客にとって価値が見合っていることが重要です。価格が高いだけでなく、製品やサービスの品質や付加価値が高いことが求められます。市場競争や顧客ニーズに合わせて値上げを検討する必要があります。

製造業における業務のDXも労働生産性向上の手段

販売価格を上げるというのも労働生産性向上の手段ですが、分母の一つの商品あたりにかける人の稼働時間を減らすというのももう一つの手段となります。
一つの商品により多くの人をかけると労働生産性は低下するため、商品生産にかける人を減らすということが考えられます。
無駄な連絡や会議などはweb上で済ませる、手作業で行ってきた作業を機械化する、監視員がいる場合はその作業を注視して代用センサを取り入れてIoT化するといった手段は、DX化に向けての小さな積み重ねと言えます。
DXというと大規模なシステムが必要と考える方も多いかと思いますが、実際にはそこまでできる企業は少ないです。
そのため、DXは無理と思ってしまう中小企業経営者の方も多くいらっしゃるかと思いますが、その発想から改めてください。
小規模な省人化の取り組みがDX化につながります。残業代も支払えないから残業できないから生産できないといった事態も防ぐことになります。
時間内に行える生産で、販売価格も向上すれば労働生産性も向上します。
そういったことの積み重ねが業務を楽にして、労働生産性を向上させることにつながります。

まとめ

日本の製造業は1980年代、世界の最先端と言われたいました。その時代、アメリカの製造業はどん底で、日本へのバッシングも激しく、日本にとっては最高の時代でした。
しかし、時代が変わってアメリカはITでその後の世界をリードし、中国は日本に代わって製造業全盛となりました。
その間、80年代と同じような手法で日本の製造業はなんとか持ちこたえていた、といってもいいでしょう。
しかし、シャープの買収や東芝の経営状態悪化など一流と言われた製造業の企業が海外との競争に敗北していったことは旧知の事実です。
中小企業における希望は従業員数が少ないことです。
これらの大企業は従業員数が多く、労働生産性を向上させるのに並大抵の対策では効果がないと言えます。
中小企業が少しの努力で劇的に労働生産性が向上し、その後の経営状態を良好な状態にしやすくできます。

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