溝口機械製 NCネジ研削盤 電源投入時に発生するサーボアラーム(SV0366)の原因と解決【修理事例】
2025.12.23 修理・メンテナンス
記事のポイント
- 電源投入時に発生する FANUC サーボアラーム SV0366(X軸パルスミス)
- アラーム発生により 機械が起動できない状態
- サーボモータ不良と誤認されやすい症状
- X軸リニアスケールの汚損が原因
- クリーニングと部品対応によりエラーを解消
| お客様 | 中部エリア 機械メーカー 製造業様 |
| 対象機械 | 溝口機械製 NCネジ研削盤 FANUC 31i-MB |
| ご相談内容 | 溝口機械製のNCネジ研削盤において、電源投入時にエラーが発生し、 機械が起動しないとのご相談でした。具体的には、 電源を投入すると X軸のパルスミスアラームが発生し、そのままアラーム解除ができず、 そもそも機械が稼働できない状態でした。発生していたアラームは以下の通りです。 アラーム番号:SV0366(X軸 パルスミス)作業場所は中部エリアで、 「急ぎで原因を切り分けたい」とのご要望でした。 |
| 当社の対応 | ヒアリング内容およびアラーム番号から、X軸サーボ系統の異常が疑われる状態と判断しました。 FANUC 31i-MBでは、SV0366(X軸パルスミス)がサーボモータリニアスケール ケーブルなど、フィードバック信号系の異常で発生するケースがあります。 現地での実機確認を行った結果、X軸リニアスケールの信号が出力されていない状態を 確認しました。 |
アラームが発生していた状態
本件では、電源投入直後にSV0366が発生するため、
- サーボONができない
- 軸が一切動かせない
- 原点復帰も不可
という状態でした。
一見するとサーボモータ不良と判断されがちですが、X軸にはサーボモータが存在しない構成であったため、別要因の切り分けが必要でした。
診断と解決策方法
当社エンジニアが現地にてNCネジ研削盤を調査しました。
診断内容
- FANUC 31i-MBにて SV0366(X軸 パルスミス)を確認
- X軸リニアスケールの外観確認
→ 油分の付着を確認 - 信号確認
→ 出力信号なし - 内部確認
→ 内部にも油分の付着を確認
これらの結果から、X軸リニアスケールの汚損による信号異常がアラーム発生の原因と判断しました。
対応
当社では、X軸リニアスケールを取り外し、クリーニング作業を実施しました。あわせて、
- スケール本体
- ケーブル
についても状態確認を行い、必要な部品交換を含めた対応を実施しています。クリーニングおよび復旧作業後、再度電源投入およびアラーム確認を行いました。
作業後の結果とお客様の声
作業完了後、SV0366(X軸パルスミス)アラームは解消され、電源投入時のエラーは発生しなくなりました。その後、機械は正常に起動し、稼働可能な状態へ復旧しています。担当者様からは、「サーボモータだと思っていたが、
きちんと切り分けてもらえて助かった」とのお声をいただきました。
同様の症状でお困りではありませんか?
サーボアラームは、必ずしもモータ不良とは限りません。
- 電源投入時にSV0366が出る
- 軸が動かない
- 原点復帰できない
といった症状でお困りの場合は、現地での切り分け対応が可能な西部商工までお気軽にご相談ください。