TAKISAWA製 TAC-360旋盤 – X軸の大きなガタつきと加工不良の原因と解決【修理事例】
記事のポイント
- 工場内で最もX軸ガタつきが大きい個体
- 調整では改善困難と判断し、駆動系を一式交換
- ボールねじ・ベアリング・オイルシールをまとめて更新
- 操作パネル不具合も同時対応し、安定稼働を回復
| お客様 | 関西エリア 金属部品加工業 製造業様 |
| 対象機械 | TAKISAWA(滝澤鉄工所)製 TAC-360CNC旋盤 |
| ご相談内容 | X軸のガタつきが大きく、早送り時に異音が発生しているとのご相談でした。 また、テーパー加工時に加工面にスジが出るなど、加工品質への影響も確認されていました。 同一工場内に複数台の旋盤を保有されていましたが、 その中でも本機は特にガタつきが顕著で、 このまま使用を続けることに不安を感じておられる状況でした。 |
| 当社の対応 | 現地で実機診断を行い、X軸駆動系全体の状態を確認しました。 ガタつきの大きさや使用年数、部品の消耗状況から、調整のみでの改善は難しく、 部品交換が必要な状態と判断しました。そこで、X軸ボールねじ、 ベアリング、オイルシールの一式交換を実施。 あわせて操作パネルの交換も行い、交換後に動作確認を実施しました。 その結果、X軸のガタつきと異音は解消し、動作は安定しました。 |
ガタつきが顕在化していた状態
本機では、
- X軸のガタつきが目視・操作感でも明確
- 早送り時に異音が発生
- テーパー加工時に加工面のスジが確認される
といった症状が同時に発生しており、精度調整だけで吸収できるレベルを超えている状態でした。無理に使用を続けると、二次的な部品損傷や加工不良の拡大が懸念される状況でした。
診断と解決策方法
当社エンジニアが現地にてCNC旋盤を調査しました。
診断内容
- X軸の動作確認およびガタつき量の確認
- 駆動系部品の消耗状態を総合的に確認
- 使用年数・稼働状況を踏まえた改善方法の検討
これらを踏まえ、部分的な調整対応では再発の可能性が高いと判断しました。
対応
当社では、X軸駆動系の根本改善を目的として、以下の対応を実施しました。
ボールねじを含むX軸駆動部を分解し、ボールねじ・ベアリング・オイルシールを一式交換しました。
交換後は、組み付け状態を確認しながら原点復帰および動作確認を実施しています。
また、操作性に影響が出ていた操作パネルについても交換を行い、操作・表示ともに問題がないことを確認しました。
作業後の結果とお客様の声
作業完了後、X軸のガタつきおよび異音は解消され、早送り時を含めた動作は安定した状態となりました。
操作パネルについても正常に動作することを確認しています。
担当者様からは、「状態を見て、調整で済むか、交換が必要かをはっきり判断してもらえたのが良かった」
とのお声をいただきました。
同様の症状でお困りではありませんか?
CNC旋盤のX軸トラブルは、調整で対応できるケースと部品交換が必要なケースを正しく見極めることが重要です。
X軸のガタつき・異音・加工精度不良でお困りの場合は、現地診断が可能な西部商工までお気軽にご相談ください。