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テクノロジーニュース

IoTの5つのレイヤーって何?IoTを正しく理解するための基礎知識

2019.08.05  インダストリー4.0基礎

IoTと一口に言っても、多くの種類や構成するアイテムや目に見えないソフト部分もあり、専門家ではない人にとってはなかなか理解することが難しいでしょう。


ただ、アイテムを導入してもセットアップ時にソフト上の仕様違いなどが見つかれば、せっかく購入したものが無駄にもなってしまいます。こうした専門的なことがわからないがために、IoT専門業者に任せても費用がかかってしまうために二の足を踏んでいるという方も多いのではないでしょうか?
IoTの基礎知識として、どのような構成で通信が行われているのかを正しく理解するために5つのレイヤー(階層)があるということを押さえておきましょう。

IoTのレイヤー(階層)って何?

IoTのレイヤーとは、IoTを構成するための階層のことを言います。
IoTのレイヤーというと分かりづらいので、インターネットでレイヤーを説明します。


インターネットに接続するためには、まずパソコンやスマートフォンといった情報端末が必要になります。次にLANケーブルや無線LAN、携帯回線など、ネットに必要な通信回線が必要になります。


ネットに接続した後も、ホームページを表示するためにHTTPのプロトコルなどといったものも必要です。サーバにアクセスするための権限や一般公開されているものであればアドレスを入力すれば自分の端末に表示されます。
インターネットに接続できない場合、このどこかの部分に問題があることになり、それを探るのにどこをチェックすればよいのかがわかるようになります。
この場合、パソコンやスマートフォンという情報端末という第一のレイヤー、LANケーブルなどの通信回線という第二のレイヤー、接続した後の、通信プロトコルといった第三のレイヤーというものに簡単に分類できるでしょう。


これらを理解していれば、インターネットに接続するための構成部品を過不足なくそろえることができます。これはIoTに関しても同様です。
レイヤーを理解すれば、IoT理解の第一歩を踏み出すことができるようになります。

IoT第1のレイヤー 「Device (もの)」

IoTを行うためにはまず通信機器に接続可能なセンサーや端末が必要となります。
工場機器の温度センサや振動計、油圧の圧力数値などを計測する圧力センサなどが通信機器に接続できるのかを確認します。IoT対応のセンサや端末であれば、ネット接続により、データを送ることができるような準備があります。
しかし、ネットに接続しなければ、これらのセンサは従来のIoT未対応のセンサや端末と同様のものとなります。

一台の工作機械におけるセンシングがメーカーによりますが、10種類以上もあります。

IoT第2のレイヤー 「Connectivity(通信)」

1つ目のレイヤーがそろえば、次にどのような方法で通信を行うのかということを検討します。
3GやLTEなどの通信回線を使用するのか、光回線などを無線LANとして使用するのか、LANケーブルを直接接続するのか、様々な方法が考えられます。
形態SIMや無線LANルータ、などといった通信機器もこのレイヤーに入ります。

IoTネットワークの基盤としても活用が期待される5G(出典:総務省)

IoT第3のレイヤー 「Platform(プラットフォーム)」

工場機器のデータをネット回線を通じて送信できる準備が整いましたが、まだどのような順序で送るのかといったことが未決定です。
IoTプラットフォームというと非常にわかりづらいですが、インターネットにもホームページを表示するための約束事である通信プロトコル(HTTP)があります。


これが決まっていることで、世界中のどこの国からでも、どのようなパソコンやスマートフォンでも同じように表示することが可能となっています。
IoTにおいても、データ送信をバラバラに行ってしまうと、どのような表示をさせるのか、また分析を行いたいと考えたときに標準的なツールを使うことができなくなってしまいます。


世界でどんな通信機器や分析ツールが見てもわかるようにデータの形を標準化するのに必要な3つ目のレイヤーがIoTプラットフォームです。

どのレイヤーのどの機能を指してプラットフォームと呼ぶかは、人やベンダーによって異なりますので注意して下さい。

IoT第4のレイヤー「Analytics(分析、蓄積)」

工場機器のIoT用に標準化された計測データを蓄積することで、過去との比較や、現在の状況が導入時と比較するとどのように変化したのかということが分かるようになります。
また、送られてきたデータを分析することで、状況は故障が発生しやすいのか、生産力が増えているのかといった判断を行うことができるようになります。
IoTの4つ目のレイヤーは蓄積するサーバやデータ分析用のツールということになります。

IoTで扱うデーターは非常に大量で、Excelのような表計算ソフトでは動作が重たくなってしまいます。そこで登場するのがBI(ビジネスインテリジェンス)ツールと呼ばれるグラフィカルなデーター可視化ソフトウェアです。図は2019年2月に発表されたGartner社によるリサーチです。BI市場におけるベンダー各社が相対的に位置付けられており、最高位である「リーダー」として選出されたのは4社のMicrosoft社Tableau社Qlik社ThoughtSpot社

IoT第5のレイヤー「 Application(アプリケーション)」

IoTのデータを蓄積、分析したことで得られたデータを有効に活用するためのアプリの段階です。ここではIoTデータに基づく警告や、現在の運転状況が良好かを表示するための部分となります。 IoTを利用する人はここをよく見ることになるでしょう。これはIoTの最も上位に来るレイヤーです。

スマートファクトリー向け: ベンダーによりますが、MESは工場の設備や原材料、仕掛品などの数量や状態などをリアルタイムに把握し、生産計画に基づいて作業のスケジュールを組み立てたり、作業者へ指示を出したり、作業手順に関するアプリケーションを提供したりします。

IoTの5つのレイヤーはどこかが欠けても成り立たない

IoTを構成する基本的な要素として5つのレイヤーがあります。
逆にこの5つが1つでもなくなると、IoTとしてデータを取得、活用することができなくなります。


ただ闇雲にIoTを導入したいと言ってこの中の一つレイヤーだけを準備して他を準備する予算を考えていなかったということにならないようにしましょう。
IoTは技術は確立していますが、導入についてはまだまだ始まったばかりの導入期です。


専門家ではない一般の人にとっては馴染みの薄い言葉が並んでいて、難しく感じるでしょう。しかし、基礎知識としてのIoTの5つのレイヤーを覚えておけば、最低限のシステムを構築することができるような検討を行うことができます。

IoTプラットフォームやアプリケーションの選択に迷うことが予想される

IoTを導入する際に、スケールメリットを考えるとIoTプラットフォームとアプリケーションは、大手システムインテグレータなどが提供するものを利用することになります。


しかし、この第3、第5のレイヤーでもあるこの二つは多くのメーカが様々な種類のものを販売していて、どれを選択したらよいのかを迷ってしまうことが予想されます。


IoTは普及が始まったばかりであり、多くのメーカがIoT市場でのマイクロソフトやアップルになろうと必死になっています。
数年後には何種類かのメーカが提供するものに絞られていくのではと思いますが、現在は競争の過渡期と言える状況です。


特にアプリケーションについては、実際にデモなどを使用してみて、使いやすい、見やすいといったものを選ぶ方がよいでしょう。

中小企業こそIoTを! -  ロボットや機械など、あらゆるものをインターネットでつなぐIoT。大手企業で導入が進む一方、中小企業では二の足を踏むケースも少なくない。
出典: https://www.jetro.go.jp/tv/

まとめ

IoTはインターネットを使ったシステムインテグレーションです。
インターネットを使って、工場での施設管理をより行いやすく、製品のリードタイムの短縮などにつなげていくためのものです。


そのために工場設備の故障の兆候を今までよりも正確に把握し、故障発生前に部品交換などの対応を行いやすくするといったことが目的です。
スマートファクトリー用のIoTを導入するためには、基礎的な知識として、5つのレイヤーがあり、その一つでも欠けてしまうと接続ができない、データが閲覧できないという状況になってしまいます。


その知識はIoTをメンテナンスを行う際や回線やアプリケーションに閲覧トラブルが起きた時にも有効となります。