海外からのメッセージ:IoT導入を検討する前に考慮しなければならないこと
2021.03.30 インダストリー4.0、サイバーセキュリティー、ものづくり企業IoT、基礎
日本ではまだIoTが普及し始めて数年ですが、アメリカではそれ以上前からIoTによる製造業務の効率化に取り組んでいます。それ以上にアメリカにはITによるグローバル企業が多くあり、IoTによるモノづくりの効率化を行いやすいという土壌が整っています。そんなアメリカからの発信による記事から、日本のIoT普及における注意点を考察します。
金属加工の英文ニュースサイトでの内容
金属加工の英文ニュースサイト「The fabricator」より、原題「Things manufacturers need to consider before managing IoT implementation」(IoT導入を検討する前に考慮しなければならないこと)より転載しております。
(翻訳)IoT導入を検討する前に考慮しなければならないこと 要約文
急速に進化を遂げるテクノロジーであるモノとインターネットをつなぐIoTは金属加工におけるとても有望な技術です。しかし、新しいテクノロジーは導入前に考慮しなければならない重大なリスクがあります。今注目の技術でもあるIoTは誇大広告も含まれており、最適なビジネスソリューションを検討するためには注意を払う必要があります。IoTを導入する準備の最善の方法は、運用を行うための計画を立てることです。IoT導入に関して、現在直面している問題を洗い出します。 問題を特定するためには、原因と結果を図で示した石川チャートなどを用いて、問題の原因と対処方法を検討します。
(翻訳)IoTの導入をすすめるための注意点
IoTの規格は流動的
標準的な規格ががまだ固まったいないため、技術が進歩すると導入した機器が時代遅れになる可能性があります。信頼できる組織によるサポートがあるかを確認する必要があります。
拡張可能なアーキテクチャ上に構築
技術の進歩により、様々な機能を搭載できる仕様の機器が出てくるかもしれません。システムに拡張できる余白を持たせるように設計しましょう。
フォールトトレラント設計を行う
構成部品の一部が故障しても通信が途切れないような設定をフォールトトレラント設計(障害許容設計)といいます。機器が故障しても予備機が稼働するなどの構成とします。
IoTを導入するための目的を明確にする
IoTを導入する際に、様々な宣伝文句を聞いて、導入を検討しているIoTに必要のない機器まで導入していないでしょうか?
IoTを何のために導入し、何を購入しているのかが不明瞭となると、組織でのコストやIoTの導入目的が分からなくなってしまいます。
(翻訳)IoT導入による長所と短所
IoTの長所は、なんといっても運用時のデータを統計的に見ることができるようになると言うことです。各機器の稼働データから故障率や、整備による停止期間などを集計し、最適な運用方法や予防保全などを考えることができるということです。これにより障害発生を予測し、故障停止時間などを短くすることができます。
IoTの短所はセキュリティによるリスクです。外部からの攻撃に焦点を当てた情報セキュリティに捉われがちですが、最大のセキュリティリスクは従業員と請負業者です。
システム設計の分野では当たり前に行われている内容
上記のIoT導入に関する注意点は、システム設計を行ったことがある人には馴染みのある内容であると思います。
IoTを構築するのとシステムを構築するのは同様だということが言えます。
IoTの導入を考えている工場の担当者の方も、IoTというと新しい技術のように感じると思いますが、そこまで新しい技術でなく、既存の機器が小型化したなどの技術革新があってIoT機器として利用できるようになっているだけという場合が多いです。
そのため、IoT導入に関する設計の基本的思想は、システム設計の基本的な考え方が応用されます。
IoTの誇大広告は日本もアメリカも同じ
英文ニュースの記事にも随所にIoTによる誇大広告に騙されないようにというフレーズが登場します。IoTによるビジネスチャンスはアメリカでも同様です。工場でのIoT導入を検討すれば、様々な企業が売り込みに訪れます。
その中には少し怪しい内容のものも多く含まれているということは日本もアメリカも同じだと言うことです。
基本的な知識を押さえて、こうした誇大広告に騙されないようにしましょう。
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