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ソリューションブログ

IoT、M2Mを攻めの情報戦略に昇華する「Smart Engineering」とは?

2021.03.29  インダストリー4.0ものづくり企業IoT基礎

IoTやM2Mで、設備とネットワークを接続して、クラウドサーバに計測データを蓄積することは一般的に知られるようになってきました。
しかし、それだけでは設備の情報を集めているだけで具体的にどのように情報を活用するのか?という重要な課題が残されたままです。今回は弊社のパートナーでもある株式会社KMCの著書「経営者に問う現場発IoT・M2M革命―デジタル・カイゼンが会社を救う」の中からIoTを活用した「Smart Engineering」をご紹介します。

IoTの接続でデータ収集をし、AIによる故障診断を行う、と言われているが…

IoTの普及が進んだ後に、そのデータの活用方法が大きな議論を呼んでいます。
多くの場合、データを収集し、AI活用による故障診断というのが一般的な流れですが、ただ収集したデータをAIにかければ診断ができるかというとそんな単純な話ではありません。
AIにも判断させる材料が必要になりますので、そのデータが正しい場合は問題がないですが、間違っているデータも収集されているため、それに基づいた診断を行うと誤診断をする可能性があります。


また、IoTやAIを活用して最終的には何をしたいのか?ということが意外と明確となっていない場合が多いです。流行りだからという理由でIoTやAIを導入すると思っていたより効果がないという結論になってしまいかねません。
製造業向けの調査、分析コンサルティングから行っている株式会社KMCでは、まずコンサルティング時に「現状の認識」と「ビジョン」から探ります。
これが決まってからIoT導入か?というとまだステップがあります。
次にプロセスの標準化の検討を行います。IoTを導入すれば効果が出そうな製造工程へ変革する必要があります。具体的には熟練工がタイミングなどを見て操作をしていた装置は、タイマなどの数値化できる装置を追加して、誰が行っても同じ結果になるような製造工程へ返る必要があります。
操作する人によって結果が変わるような製造工程では、IoTを導入してもその先につながっていきません。
こうした検討を経て、次に初めてIoTの導入の検討を行います。

まずは稼働率管理でのIoT導入を検討する

製造業と一口に言っても多岐にわたりますが、最も共通する指標の一つとして設備の稼働率が挙げられます。
設備が様々な原因で稼働、停止を繰り返しますが、致命的な部品故障が発生し、部品の納期期間中ずっと停止する「ドカ停」は、共通して避けなければならないことです。
こうしたドカ停を防止するためには設備の部品の故障の兆候などを見る必要があります。
また、ドカ停とは別に、次工程待ちなどで細かい時間稼働停止を行う「チョコ停」は、じわじわと稼働率の低下に効いてきます。
こうした細かいチョコ停の防止には、前項で記載したプロセスの標準化や共通化を行い、どこに無駄が潜んでいるのかを検証する必要があります。
チョコ停を防止するための改善データの正確な把握にはIoTが効果を発揮します。


株式会社KCMではこうした工程実績のデータ収取から部品の記録、手待ち時間の把握などを総合的に検証できるアプリケーションとして生産電子カルテ「M-Karte」を提供しています。
アプリケーションはコンサルティングの中でカスタマイズしていくことで、その会社に合った内容になっていきます。
設備の稼働率を管理することで、加工サイクルタイムの短縮やドカ停による設備停止による生産機会の損失など、製造原価にも跳ね返ってくる重要な事柄になります。

製造方法を時代の需要に合わせて変えていく「Smart Engineering」

製造業の経営コンサルティングの領域になるのですが、まずは製造プロセスの無理をしている箇所やムダが多い箇所、情報共有不足による部門間の連携ができないなど、解決しなければならない課題が多くあります。
IoT、M2Mと関係のないような感じにとらえられますが、こうした課題の中にはIoTを導入すれば解決するものや仕組みそのものを変えなければIoTを導入しても変わらないというものもあります。


ある不具合が発生し、本当の意味の原因を突き詰めなければ、IoTを導入すればすべて解決ができるというものではないことはよくわかるのではないかと思います。部門間の情報共有不足であれば、同じデータをみてその原因を検討すればよいというものですが、業務の仕組みで、部門間でこうした業務プロセスがないということであれば、改善自体が現在のプロセスではできないことになります。
Smart Engineeringは、こうした業務の課題やプロセスの改善から、IoT導入を含めた不具合対策、導入後の検証までを含めたPDCAサイクルを回すことで、IoTで記録が残る業務改善のことを言います。

熟練エンジニアの個人的な設計の気づきは自動で記録

熟練エンジニアの設計時に不具合に関する気づきは、標準資料という形で残している会社も多いのではないかと思います。
しかし、実際に設計時に一から標準資料を見て設計をしても同じものができずに出戻りが発生してしまうことが多いです。
標準資料は作った瞬間に古くなり、見る機会も減っていってしまいます。
また、時代の変化が激しい現代では、標準資料がすぐに時代に合わなくなってしまうこともよくあります。


設計時にリアルタイムに不具合履歴、改善履歴などを残すようなデータベースを作成しておけば、いざという時にすぐに参照することが可能です。
株式会社KMCでは、こうした設計時のノウハウをリアルタイムに記録する「D-Karte」を開発しています。
熟練エンジニアの設計ノウハウの継承に忙しい中標準資料を作るよりは、不具合や改善の履歴を物件ごとに残していった方がより効率の良い技術継承となることでしょう。

まとめ:IoT、M2Mは道具にすぎない

今、IoTが流行っているため、導入が目的となってないでしょうか?
IoTを使って、何を達成したいのかという経営コンサルティング的な要素が重要な要素となって行くということは意外と知られていません。中には、IoTで収集したデータをAIで分析させればそれでいいと考えている経営者の方もいらっしゃいます。


IoTやM2M、AIはすべて製造業経営の道具にすぎません。それを使って何をするのか?ということが最も重要な検討事項です。
IoTのいいところは、今まで感覚で行われてきた業務範囲が具体的な数値化処理がされるという部分です。これにより、今までよりも、よりコンピュータによる演算処理ができる範囲が増えたことで、放置されてきた不具合が改善できる可能性が増えたということです。
これらを使って、どういった改善を行うのかというのが製造業の経営者の腕の見せ所です。
こうした経営のお手伝いに、株式会社KMCの開発ツールを利用したSmart Engineeringが有効な手段の一つと言えます。

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